会長挨拶

会長 藤嶋 誠
この度,東京大学高増先生の後任として会長を拝命いたしました藤嶋誠です.過去2年間にわたり新型コロナウィルスの影響でほとんどの学術講演会はオンラインでの開催もしくは中止になりました.直近の2022年度の春季大会学術講演会もオンライン開催になっています.このような環境下でも高増会長以下,精密工学会の活動を活発に実施し赤字続きだった決算を黒字化するなど素晴らしい成果を出していただけたこと感謝申し上げます.
本年度からの学会活動はオンラインを効率よく使いながらも,内容を吟味して面前での活発な交流を徐々に開始していきたいと思います.
さて,ロシアとウクライナの紛争に世界中の注目が集まっています.中国と台湾の関係,北朝鮮の問題,世界の状況は1990年以前の東西冷戦時代のように戻るかもしれず,コロナ後の活発な活動の障害になりえます.ロシアとウクライナの紛争が産業界に与える大きな影響として化石燃料の供給問題があります.これまではカーボンニュートラルの観点で消費エネルギー削減を追求していましたが,これに加えて化石燃料不足の観点からも,最重要課題として産学共同で早急に進めなければなりません.
上述のような社会課題の解決を生産工学によって支えることを使命とする精密工学会は,従来の生産基盤技術としての精密加工や精密計測だけではなく,情報科学,量子科学,生物科学などが連関する学際分野における新たな生産基盤の創出を担う広範囲な生産工学を取り扱います.そこに集う研究者と技術者が協調して技術共有や共同研究・開発を行い,環境に優しい社会に貢献できるように取り組みたいと思います.
また本会では他の学会と同様に会員数の減少と収入減から厳しい決算状況が続いております.精密工学会の取り組みを広くご理解いただき,新しい会員の獲得,そして本年度は奈良で開催されるICPE2022と,新潟で開催される秋季大会学術講演会の成功に向けて,皆様のご協力とご指導をお願い申し上げます.
精密工学会 会長 藤嶋 誠
2022年4月
歴代会長紹介(歴代会長,副会長の氏名・所属等)
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