倫理綱領・倫理規程

精密工学会では、従来から「倫理綱領」を運用していますが、この度、新たに「倫理規程」を制定しました。

情報化社会にあって、技術者・研究者の倫理感が重要視されています。会員として遵守すべき規範を分かり易い表現で示してありますので、ご一読の上、良識ある判断、行動をお願い申しあげます。

公益社団法人精密工学会理事会

精密工学会倫理綱領

前文:精密工学会会員は、「ものづくり」の観点から、精密工学の各分野を広範囲に探求することにより、革新的技術の開発に取り組み、もって社会の発展に貢献することを責務としている。本会会員は、精密工学における技術開発行動とその成果の利用にあたり、これが社会へ与える影響の重大性を認識し、人類の安全、健康、幸福の増進のために最善を尽くすことを誓い、各自の研究・教育ならびに技術開発等の活動において、以下に定める綱領を遵守する。

綱領:
1.(人間・技術者としての責務)本会会員は、精密工学分野での活動を通して、人類の安全、健康、幸福の増進に貢献する。

2.(社会に対する責任)本会会員は、自らの活動が地球環境と人間社会の秩序に及ぼす影響を常に認識し、良心に従って研究ならびに技術活動を遂行する。

3.(自己の研鑚)本会会員は、精密工学の分野における専門知識、能力の向上につとめ、専門職務上の諸問題に関して正直かつ誠実に対応する。

4.(他者の尊重と謙虚な姿勢)本会会員は、他者の生命、財産、プライバシーを尊重するとともに、専門職務上の主張や判断をする時には、常に事実にもとづいた行動をとることを心がけ、他者の意見、主張、批判などを謙虚に受けとめる。

5.(知的生産物の尊重)本会会員は、他者の業績である知的成果ならびに知的財産権を尊重する。

6.(情報の発信)本会会員は、専門職務の遂行を通して得られた成果を積極的に公開する。

7.(契約の遵守)本会会員は、専門職務に関する契約や合意を遵守するとともに、職務上知り得た秘密情報を他に漏らさない。しかし、その中に地球環境や社会に重大な影響を及ぼす恐れがある事実が含まれる場合には、このことを適時公にして、原因を排除するよう努力する。

8.(公平性の確保)本会会員は、すべての人に対し、人種、国籍、宗教、障害、性別、年齢などに囚われることなく、公平に対応する。

附則
1.2003年9月19日理事会にて承認
2.本綱領は、公益認定後も継承する。(2010年6月理事会承認)

以上

公益社団法人精密工学会倫理規程

(倫理綱領)
1.本会「倫理綱領(2003年9月19日理事会承認)」は、本会の社会に対する存続の意義と姿勢を示し、社会への責務や貢献の基本を述べ、本会並びに会員等が逸脱することなくそれに邁進することを誓約するものである。

(倫理規程)
2.本規程は、1の基本理念の下、本会並びに会員等が遵守すべきことを具体的に定め、それに反する疑いが発生した際の取扱等を定めるものである。

(法令違反と不正行為)
3.倫理に反する行為は、法令違反と不正行為に分類する。(なお、この両者を合わせて以下では「不正行為等」という)

4.法律並びに関係法令の遵守は基本であり、会員、本会並びに本会の組織等がそれに違反する疑いが発生した場合には、法律並びに関係法令に基づき対処する。

5.本会の活動において、盗用、改ざん、捏造ならびに著作権侵害等の不正行為に係る疑いが生じた時は本規程に基づき対処する。

(疑いの報告義務)
6.会員等は、4あるいは5の疑いが発生した時には、速やかにその状況を事務局を通じて担当理事に報告しなければならない。
担当理事は特段の事情が無い場合、副会長がこれに当たる。

(調査委員会)
7.担当理事は、報告を受けた時は、会長に経緯を報告するとともに、速やかに調査委員会を設置し、その事実を把握し、結果を会長に報告しなければならない。ただし、調査するまでも無く事実が明らかである場合は調査委員会を省略して確認した事実を会長に報告するものとする。
調査委員会は、担当理事を委員長とし、業務執行委員会メンバーの中から委員を2名以上推薦し、会長の許可を得て調査を行う。必要に応じて業務執行委員会メンバー以外の本会関係者を加えることができる。また、調査方法等にアドバイスが必要な場合には弁護士等に意見を求めることができる。

(倫理委員会)
8.会長は、調査委員会から報告を受けた場合、倫理委員会を設置し、不正行為等に対する本会の対応の協議を求めるものとする。ただし、本会定款その他本会が定めた規則や過去の事例に基づき対応内容が明確である場合には倫理委員会の開催を会長の判断で省略することができる。
倫理委員会は、調査委員会委員長とは別の副会長を委員長とし、理事より2名以上の委員を推薦し、会長の許可を得て構成する。必要に応じて理事以外の本会関係者を加えることができる。また、アドバイスが必要な場合には弁護士等に意見を求めることができる。
倫理委員会は、不正行為等の社会に与える影響の大きさ、社会通念、学協会等における処分の程度の状況等に照らして、処分案を定める。委員長はこれを会長に報告するとともに、理事会で報告説明を行わなければならない。

(処分の種類)
9.処分の種類は、定款の定めによる除名、役職解任、会員資格停止(有期、会費は納入義務あり)、注意、その他倫理委員会が定めたものとする。

(通達)
10.会長は、理事会にて不正行為等に対する本会の措置が決定した場合には、直ちに文書にてその内容を本人に通知するとともに、必要な手続きを行うよう関係各所に通知する。

(異議申し立て)
11.不正行為等の疑いの当事者は、10の通達を受領後15日以内に異議申し立てを行うことができる。

(再審査)
12.異議申し立てを受けた場合には、8の倫理委員会にて再度審議し、以降8と同じ手続きを行うものとする。また、異議申し立てに関連して、倫理委員会に新たな委員を追加する必要がある場合には追加できるものとする。
再審査は1回のみとする。

(当事者ならびに通知者の保護)
13.当事者に不正行為が無かったと判断される場合には、その名誉回復に多大の配慮を行わなければならない。
また、通知者に関しても通知行為をはじめ一切の行為は保護され外部に漏らしてはならない。

(関係者の守秘義務)
14.調査委員会、倫理委員会メンバーをはじめ、本規程の手続きに関係するすべての者は、知り得たすべてのことを処分確定後といえども口外してはならない。

(改廃)
15.本規程の改廃は、理事会の議を経て行う。

(役割担当の変更)
16.前記6、7、8の役割担当が当事者である場合、副会長、執行理事、理事の順に役割の担当を変更してこれに臨む。

(附則)
本規程は 2013年1月17日開催の理事会にて承認

以上