65巻3号

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概  要
3 381 測定点データに基づく自由曲線・曲線のモデル化法 倉賀野哲造,斉藤 勝,黒田 満,古川 進 市販のさまざまな3次元計測機による点群データから有限要素法の要素分割法の一つであるデローニ三角分割法を使用して三角形綱を構成し,形状の特徴を抽出してBe・zier曲線・曲面パッチを生成する手法を述べてある.この手法を使うことによりデザイナは特徴ある部分を抽出したり,部分形状を抽出したりして,プロダクト・デザインを煮詰めるために,形状修正が容易な曲面パッチを生成できる.
3 386 三角形メッシュモデル細分割手法の拡張と評価 山本徹也,鈴木宏正,金井 崇,木村文彦 粗い三角形メッシュモデルをその特徴を保ったまま滑らかにする細分割手法の拡張と評価について述べてある.エッジや角などの特徴を残したまま形状を滑らかに細分割する手法と,詳細化する必要のない部分は細分割せずに無駄な処理を省略できる非一様細分割手法を示した.またメッシュの滑らかさを評価する手法を示し,細分割メッシュがおおむね一階導関数連続を近似的に満たしていることを示した.
3 391 小出力レーザによる機上焼入れに関する研究 喜田義宏,藤川 泰,廣垣俊樹,中川平三郎,垣野義昭,山路伊和夫 小出力のYAGレーザを用いて,金型加工を想定した合金工具鋼の機上焼入れを行った.機上へのレーザの導入には光ファイバを用い,ワークの表面は吸収剤の塗布を行わないものとした.理論と実験により,レーザ照射条件と焼入れ硬さの関係を詳細に調べ,その実用性を確認した.さらに,硬化深さの増大の手法についても検討を加えた.
3 396 主軸高速回転に伴う工作機械熱変位の測定法 斉 暁勇,清水伸二,今井 登 今後の工作機械の更なる高速化に対応可能であり,高精度でかつ汎用的な,主軸回転時の熱変位測定装置とその測定法が提案されている.測定手法には3点法の原理を用いており,高速回転時の基準工具ならびにセンサ支持部の熱膨張と,基準工具の遠心膨張成分を測定値から分離し,熱変位成分のみを求めることができる.高速主軸搭載のマシニングセンタを用いた実験の結果,本手法の妥当性が明らかにされた.
3 401 軸対称非球面の高精度切削に関する研究
──工具の各種誤差要因が形状誤差に与える影響およびその最適補正法の検討──
鈴木浩文,北嶋孝之,奥山繁樹 刃先が円弧形状になった単結晶ダイヤモンドバイトを用いた軸対称の非球面の旋削において,バイトのセッティング,刃先の曲率半径,輪郭度の誤差などの各種誤差要因が工作物の加工精度に与える影響についてシミュレーションした.更に,計算結果を基に最適補正法を提案し,非球面型の補正加工実験により補正効果について検証を行った.
3 406 形状フィードバック型精密加工システムの開発(第1報)──基本概念と修正加工例── 武沢英樹,古谷克司,毛利尚武 通常の工作機械では困難である,同一機械上での除去加工と付加加工の使い分けを放電加工機にて実現した.すでに開発してある機上計測装置を用いて計測した形状データをフィードバックし,放電加工機上で形状を制御することで,高精度加工が可能なシステムを構築した.本報告では,システムの基本概念と修正加工例について述べる.
3 411 楕円振動切削加工法(第2報)──振動条件の影響に関する検討── 社本英二,森本祥之,森脇俊道 前報では,工具に楕円振動を付加することによって工具/すくい面間の摩擦力を反転し,切削性能を著しく向上し得る,楕円振動切削加工法を提案した.本報では,その切削性能に及ぼす楕円振動条件の影響について,実験的,理論的に検討している.具体的には,振動周波数,切削方向と切込み方向の振動の振幅比と位相差を変化させ,仕上げ面粗さ,せん断角,切削力に及ぼす影響について明らかにしている.
3 418 半導体レーザを用いた段差を持つ粗面の形状計測
──3波長での位相測定を用いる方法──
安達正明,北川洋一,松本哲也,稲部勝幸 狭い範囲でしか波長を可変できない一般的な半導体レーザを用いる,段差を持つ粗面の形状計測法について述べてある.3波長で位相測定を行い,2つの合成波長での位相図を計算している.さらに,形状測定での精度を高くするため,2つの位相図からしま次数を決定し,短い合成波長での位相値とあわせて,段差を持つ粗面の形状計測を行っている.本方法で可能な測定領域についても述べられている.
3 423 トランケート面評価のための表面おうとつ形状のリロケーションに関する研究(第2報)
──2次元断面曲線の統計情報に基づいた方法──
直井一也,笹島和幸,塚田忠夫 表面おうとつのごく一部がトランケーションされる極微量の摩耗やプラトーホーニング,ラッピングプロセスなど加工面の評価をより定量的にプロセス前後の比較として行うために必要な断面測定形状のソフトウェアによるリロケーション法について,断面形状の統計情報の比較による方法を提案し,適用範囲について検討している.
3 428 直動形トロコイド歯車の基礎解析(第2報)
──ローララック形トロコイド歯車の動作原理──
石田和義,寺田英嗣,古屋信幸,牧野 洋,今瀬憲司 ローララック形トロコイド歯車は,カムピニオン回転中心を基準としてローララックを外側へずらすことで,カム歯元部の切下げを防止した機構である.この機構の動作原理を解析し,機構学的設計条件に基づく最適化設計指針の検討を行った.そして機構学的設計条件を満足する試作機を製作し,バックラッシのない直動機構であることを確認した.
3 433 ウエーブレット変換によるZP干渉じまの解析 田代発造,吉川和男,田中芳典,野村 俊,神谷和秀,宮代 裕 部分的な干渉じまをウェーブレット変換によって解析する方法について述べる.ZP干渉計は球面鏡や非球面鏡の形状誤差を測ることができる.円形の鏡ではしまが無い所やしま数が少ない所が存在する.干渉じまの解析にはフーリエ解析法があるが,しま数の少ない画像に適用するのは困難である.そこで,ウェーブレット変換を用いてしまを解析する方法を提案する.その結果,干渉じまの位相が得られ,形状誤差を自動解析できる.
3 438 圧電素子の高周波振動を利用したアクティブスクイーズ空気軸受の開発(第1報)
──プロトタイプモデルによる基礎的研究──
磯部浩已,久曽神 煌,小島 茂 新形式のスクイーズ空気軸受を提案した.軸受パッドを圧電素子で振動させることで空気膜を発生させ,駆動電圧を制御することで軸を非接触で位置決めできる.プロトタイプモデルを試作した結果,駆動周波数800Hz,振幅3μmにおいて物体が5.5μm浮上した.フィードバック系に組み込むことで,浮上物体を位置決めできた.
3 443 ラジアルシェア干渉計によるオンマシン測定 河野嗣男,松本大司,細越剛史,矢澤孝哲,宇田 豊 2枚のゾーンプレートを用いた小型で安定なラジアルシェア干渉計を開発した.本干渉計は主としてオンマシンで凹面鏡の表面形状を測定する.鏡面全体からの測定波面は鏡面中心部分の波面に横倍率を与えた参照波面と重ね合わされて干渉測定を行う.干渉波面が同一の物体上にあり,測定光路もほぼ共通しているためきわめて安定な測定が可能であり,コントラストが良い干渉じまが得られることが実験で示された.中心形状誤差を補正する方法,セッティング誤差除去法も提案した.
3 447 3点法真円度測定法における検出子間の特性ずれの影響 奥山栄樹,守時 一 3点法真円度測定法において検出子間の特性の違いが測定結果に及ぼす影響について調べた.その結果,検出子間のゲイン特性の違いは主に重み付け加算における伝達関数のゲインが零に近くなる空間周波数領域で影響が大きくなることがわかった.また,空間周波数特性の違いは,特に検出子ゲインの小さくなる空間周波数領域において検出子間のゲインずれとなり,測定結果がゆがめられることがわかった.
3 452 トグル式電動サーボ型締機構の開発 稲葉善治,内藤保雄 トグル機構は力の拡大特性により比較的小さな動力で目的の型締力を発生できるため電動サーボ型締機構に適している.このトグル機構の静解析結果をマトリックス状のグラフ群で表し,トグルの各寸法を設計目的に適合するように決める手法を考案した.この手法を用いて,従来の四点トグル及び五点トグルそれぞれの長所をあわせ持ち,より小型でより高速な新しい五点トグルを考案し,RDP五点トグルと名付けた.
3 459 3次元形状を有する鋳物表面粗さ光学式測定法の開発 秋山伸幸,杉原修二,吉田昌弘,染次孝博 3次元形状を有する鋳物製品の表面粗さを光学的非接触でインプロセス測定する装置を開発した.試料を入射角60°で周囲8方向から照明し,垂直上方からCCDカメラで検出する.試料の形状は3次元座標測定機で測定して表面の法線方向を計算し,法線が検出光軸と一致するように試料の姿勢を制御する.これにより試料全体の表面粗さRaを±25%(2σ)以内のばらつきで測定することができた.
3 464 DCサーボモータの動特性に関する考察 神谷好承,関 啓明,疋津正利,酒井史敏 DCサーボモータを駆動するサーボ増幅器は制御信号の単なる増幅だけではなく,外乱に対して定常偏差を生じさせないといった制御特性を高める目的からいくつかの補償回路を含ませてある.このためモータの動特性は複雑になり,サーボ増幅器が単なる信号の増幅だけであるとした場合には説明のつかない現象がみられる.これより市販のサーボ増幅器を用いたモータの動特性について詳細に検討し考察を行った.
3 469 同期画像入力による微小繰返し変位の検出法 松田文夫,長南功男,北川秀夫,曽我竜介,服部秀三 外部からの繰り返される物理的刺激によって生じる微小の形の変化をとらえる方法について述べてある.最小検出変位は0.036ピクセルである.本手法の応用範囲は広く,外部刺激によって生じる動植物の生態の変化の解明や,故意に物理刺激を与え,それによって生じる形の変化から加工や組立が正常に行われたかどうかを検査する装置に用いることができる.