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会長紹介
  会 長  森脇 俊道

 精密工学会は2008年に創立75周年を迎えました.そして新井民夫前会長のもとで,さまざまな75周年記念事業を行い,来るべき100周年を目指して,これからの25年間の活動を継続・発展させるべく新たな一歩を踏み出しました.その中で新井前会長は,25年後に精密工学会の中核となる若手研究者の活性化と持続可能社会に貢献する生産技術の体系化を事業目標として掲げられました.これらはいずれもきわめて重要な課題であり,私たちはそれに向かって一層努力する必要があります.

 精密工学会は,一言でいえばものづくりの学会です.1933年に精機協会として発足した本学会は,加工,計測,機械を中心に我が国の生産技術の中核を担ってきました.特に戦後のわが国の発展を支えた製造業に大きく貢献したことは,自他ともに認めるところです.その間,生産システム,設計,ロボットなどIT技術やメカトロ技術を取り込んで,学会活動は進歩発展をしてきました.学会の名称も精機学会から精密工学会へと変りました.こうした中にあって,ものづくりの技術がカバーする範囲も拡大の一歩をたどっています.マーケティングに始まり,開発,設計,生産設計,生産管理,製造,販売から運用,保守,さらにはリユースやリサイクルまで,ハードウェア,ソフトウェア,システムを含め,すべてがものづくりの範疇に入ります.

 昨今の経済状況や将来に対する閉塞感などから,ものづくりに対する期待感が薄れたり,製造業の海外流出が大きな問題となっています.しかしながら私は今こそこの国のものづくりを見直し,立て直す必要があると考えています.資源が皆無の我が国が,原材料とエネルギー源,そして食料を輸入に頼りながらも,快適で豊かな持続可能社会を維持していくためには,付加価値を生み出して利益を得ることが必須であるからです.その意味で精密工学会が果たす役割は限りなく大きいと言えます.新たな技術開発とそれを支える基礎研究は私たちに課された課題です.

 また少子高齢化社会が急速に進行する中にあって,子供たちの理科・技術離れが社会問題となり,若者に夢がないといわれる今,将来この国のものづくりを支える優秀な若手の研究者,技術者の育成は極めて大切です.そのためにはこの学会が若い人たちにとって魅力ある学会でなければなりません.新井前会長の政策を引き継いで,若手研究者・技術者の育成に努力したいと思います.

 精密工学会は1974年にCIRP総会が東京・京都で開催されたのを契機として,はじめての国際会議ICPEを開催し,以後継続的にICPEをはじめとする国際会議を主催してきています.その間姉妹学会であるASPE,euspenの設立にも貢献し,文字通り精密工学の国際的なリーダーとしての役割を果たしてきました.また最近ではASPENにおいても中心的な役割を果たしています.国際化さらにはボーダーレスと言われる時代にあって,精密工学会はこれからも一層国際化を進め,アジア,世界のリーダーとして活動範囲を広げていきたいと思います.

 現在,精密工学会は公益法人化に向けて事務的な作業を進めています.学会の性格からして,公益に資する学会であると認識しているからです.近いうちに学会の組織変更が行われることになると思いますが,会員の皆様におかれましては,学会の公益法人化への移行にご協力をお願い致します.

 最後になりましたが,何よりも大切なことは,学会は会員の皆様方のための学会でなければならないということです.個人会員であれ賛助会員であれ,会員資格の種類を問わず,これまで以上に皆様方にとって有意義な情報提供をするとともに,参加して意義のある学会にしたいと考えております.そのためにも皆様方の一層のご支援,ご協力をお願いする次第です.  
 

JSPE Home Page / Update : 2010.4.12
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